こんにちは。すぎもと歯科スマイルアドバイザー・衛生士の奥田です。
寒くなり、朝起きるのが困難になりました、また風邪をひきやすい季節にもなっています。みなさんも体調にはお気を付けくださいね。
さて、歯周病という病気は「大人がかかる病気」という認識が多いと思いますが、おなかに赤ちゃんがいると、赤ちゃんの方にも影響が出てくることをご存じでしょうか?
歯周病を引き起こす歯周病菌の出す毒素の刺激が妊婦さんのおなかにいる赤ちゃんをいじめてしまう事がわかっています。
女性のお口の健康が女性ホルモンと密接な関係があることは、これまでのブログや歯周病のページに紹介していますのでわかって頂いていると思います。
妊娠中の女性の体内では、赤ちゃんを育てるために女性ホルモンがさかんに分泌されています。
特に妊娠12~13週には女性ホルモンの濃度が急上昇します。この頃には女性ホルモンをエサにしている歯周病菌も活気づき、増殖します。
歯周病菌のだす毒素(エンドトキシン)や歯ぐきの炎症部で作られるサイトカイン(炎症物質)プロスタグランジンなどの物質が血液のなかに流れ込み続けると、子宮の筋膜を刺激し、ぎゅっと収縮させてしまします。
胎児が十分に成長すると、妊婦の血液中のサイトカイン濃度が高くなり、出産のサインとみなされ、スイッチがONになり子宮の筋膜が収縮するのが本来の出産のメカニズムです。
しかし、お母さんが歯周病の場合、歯周病菌のだすエンドトキシンやサイトカインが歯ぐきから体内へと絶え間なく送り込まれるため、まだ十分に成長していないのに、これらの血中濃度が上昇し、出産のスイッチがONになりやすくなります。
そのため、まだまだ落ち着いて大きくなりたい赤ちゃんが終始筋膜に押されているので、落ち着いて成長する事ができず、低体重児出産や早産のリスクが高くなるのです。
低体重児出産や早産を引き起こす原因が歯周病だけではありませんので、歯周病を防げば、100%低体重児出産や早産を防げるわけではありません。
しかし、実際に妊婦さんに歯周病治療をすることで、早産発生率の有意な減少があることは報告されています。
お母さん自身のためにも、大切な赤ちゃんのためにも、
普段から歯周病の予防に心がけましょう!
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