寒い毎日が続きますが、みなさんお元気ですか?
江南市すぎもと歯科・歯科衛生士の杉本です。
今年も残り少なくなってまいりました、何かと慌ただしいこの時期、水も冷たくなると「歯がしみる」という方が増えてきます。
具体的には、冷たいものを口にしたときに歯がキューンとしみる、あるいはピリッと痛むといった症状ですね。
そしてその後、尾を引かずにすぐに治まる場合、これを知覚過敏症と呼んでいます。
それは歯周病とも大きく関係しています!
知覚過敏って過敏な人がなるの?
そういうわけではありません。
歯の構造を知るとわかりやすいと思います。
歯は、中心部に歯の神経である歯髄があり、その周りを象牙質と呼ばれる組織が囲んで、歯をかたち作っています。
象牙質の内部には、神経に刺激を伝える象牙細管という細い管が何本も通っていて、象牙質が刺激を受けると痛みなどを感じる仕組みになっています。
しかし、象牙質は歯茎(はぐき)より上に出ている部分は、硬くて丈夫なエナメル質がカバーしています。
ですから、健康な状態なら冷たいものや熱いものを飲んだり食べたりしても、歯がしみたり、痛みを感じたりはしないはずなのです。
ではなぜ?しみたり痛みが出たりするのでしょうか?
普段はエナメル質や歯肉でカバーされている象牙質が、何らかの理由でむき出しになると、
象牙細管を通じて神経が刺激されます。
その結果、普通では感じない刺激に対しても痛みを感じたり、しみたりするようになるので、知覚過敏症と呼ばれているのです。
何が原因で象牙質がむき出しになるのでしょうか?
まず挙げられるのが、歯周病のためにおこる歯肉退縮、つまり歯茎がやせることです。
歯肉が見た目にも下がるために、歯肉で覆われているはずの歯の根元部分の象牙質がむき出しになってしまいます。
歯肉退縮は歯が長くなったような感じになるので、注意深く歯を見ればすぐわかると思います。
★歯肉退縮が起こればすぐに痛んだりしみたりするのか?というとそういう訳ではありません。
象牙質がむき出しになっても、象牙質には再石灰化が起こりますので、すぐには知覚過敏症にはなりません。しかし、再石灰化のスピードが遅いと、象牙質は次第に削られてしまい、歯の根元がくさび状にえぐられていきます。
こうなると、冷たいものを飲んだりするとピリッとした痛みを感じるとか、キューンとしみるようになってしまうのです。
冷たい空気に触れただけでしみる人もいるように、冬の季節に多い歯の病気の一つです。
その他にも原因はあります。
エナメル質の磨耗、つまり磨り減ることです。
エナメル質の部分はとても丈夫で硬い組織でできています、しかし、そんな硬いエナメル質といえども、加齢に伴う劣化や、強すぎる力が長年にわたり加わることで磨耗することがあります。
歯が溶ける酸蝕歯が原因の場合も増えています。
酸蝕歯とは 、毎日の食生活の中で摂取している食べものや飲みもの、たとえば炭酸飲料、ジュース、ワイン、野菜やフルーツ、お酢などの酸により、歯の表面のエナメル質を軟化させ、エナメル質がすり減る原因となっている場合です。
そのほか、噛む力がとても強い人、歯をくいしばる癖のある人なども、歯根に近い部分のエナメル質がめくれるために知覚過敏症になりやすくなります。
知覚過敏の方におすすめの簡単なケア方法
*知覚過敏で歯がシミるのを防ぐハミガキを使用する。
*必要以上に強い力でブラッシングをしない。
*毛先のやわらかいハブラシを使う。できれば知覚過敏に適したタイプのものを使う。
*歯の噛みしめ、歯ぎしりを避けるために、睡眠中にマウスピースを使用するなどの対策を行う。
*お口の健康を保つことにより、歯グキ後退の原因となる歯周病などの状態を予防する。
*定期的に歯科医の検診を受け、知覚過敏ケアについてのアドバイスを受ける。必要であれば知覚過敏の治療について相談する。
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