江南市すぎもと歯科・歯科衛生士の吉村です。
歯周病も生活習慣病ですが、その中から今回は「口呼吸」と歯周病の関係についてお話したいと思います。
★口呼吸は歯周病を悪化させます。 鼻で呼吸せず、口で呼吸することを「口呼吸」といいます。
これは、体やお口の健康にとっては、とても良くない習慣です。
口呼吸が歯周病に悪いというのは、口が乾燥しがちになるからです!
口を開いていることによって、歯と歯茎の周囲が乾燥し、歯周病菌が粘度を持つことで歯にへばりつこうとするのです。
歯周病菌はじめ口の中の細菌は、嫌気性菌とよばれ乾いた環境で繁殖しやすいため、口呼吸が歯周病や虫歯を進行させる原因になるのです。
口が乾くということは唾液量(つば)が少なるなることですが、唾液には食べ物を柔らかくして消化を助けたり口内の湿度を保つほかにも、むしばの原因となる酸を中和する働きがあります。
唾液に含まれるカルシウムなどのミネラルは歯を修復する作用(歯の再石灰化)があります。
しかし口呼吸の習慣があると、歯は乾いてしまうためにこの作用が働かなくなるのです。
口で呼吸をすることで、唇も乾燥して、亀裂が入り、厚ぼったくなります。特に子どもさんでポカンと口を開いているくせのある場合は、早めに直させる必要があります。
口呼吸が原因で、歯並びを悪くしさらに口呼吸がひどくなる・・・という悪循環となります。
口呼吸チェックリスト
1、普段気がつくと口が開いている
2、目が覚めたとき唇が乾いている
3、目が覚めたとき、口の中がネバネバしている
4、目が覚めたとき、のどがヒリヒリする
5、目が覚めたとき、口臭を感じる
6、歯をきちんと磨いているのに、出血したり史跡がたまる
7、歯をきちんと磨いているのに、前歯が薄茶色になる
8、歯をきちんと磨いているのに、虫歯になりやすい
9、口内炎になりやすい
10、歯並びが悪い
11、風邪をひきやすい
12、鼻が詰まりやすい
13、肌が荒れやすい
14、睡眠時、横向きうつ伏せで寝る
15、アレルギーがある
*3つ以上当てはまる項目のある方は、お口の健康に悪影響を及ぼす口呼吸をしている可能性があります。
口呼吸を改善するには
口呼吸がすぐに治る方法というものはなく、原因によっては治すのが容易でないものがあります。
例えば、鼻炎などで鼻づまりが続いて起こる口呼吸は、耳鼻科で治療を受ければ大幅に改善することができます。
しかし、歯のかみ合わせが問題で口呼吸になっている場合や、前歯が出ているため口を閉じた状態を続けられず口呼吸になっている場合は、矯正治療などにより歯の位置を移動させる必要があります。
ただ、矯正治療も中高年者には難しく、口呼吸を治すのは容易ではありません。
誰もが実践できる口呼吸を改善する方法は、★口輪筋を鍛えることです。
専用の治療器具(パタカラ)も市販されていますが、日常生活の中で手軽に口輪筋を鍛錬する方法もあります。
まず、食事の際は正しい姿勢で口を閉じたまま、1口30回程度は両側の歯で均等にかんで食べましょう。
また、1日2回は口を閉じたまま、15分ほどキシリトールガムをかむことをおすすめします。
また、
*上もしくは下の唇をつまんで反対側に引っ張る、口の両端を指ではさんで横へ引っ張る、タコのように唇をとがらせるなどの運動を各20回程度行う、
*割り箸を上下の唇全体を使って強く挟み、2分間この状態を維持する、
なども口輪筋を鍛え、口呼吸を治すことにつながります。
✽簡単にできることですので是非実践してみてください!
✽口輪筋を鍛えることは、若々しい口元を保つことにもつながりますよ!
参考:「さようなら歯周病 お口の健康」医歯薬出版
←ブログのトップへ